今日新年早々に相応しい「翁」を見ました。
大鼓方は大倉正之助先生ということもあったが、今日の「翁」の印象で残ったのは黒式尉(こくしきじょう)の場面、狂言方は三番叟を舞う後半の部分です。前半は神事的な印書に対して、後半はお祭り事的なイメージを受けました。前半の比較的に精練されたリズムより、大鼓が大活躍し、舞も派手に。その息ぴったしの調和の波紋は客席にまで広がりました。新年早々におめでたい気分でした。
翁に使用される能面は二つ:白式尉(はくしきじょう)と黒式尉(こくしきじょう)。その特徴はアゴの部分が割れていて分別式の面であり、また眼は他の面と異なって点ではなく目全体が切り抜いてあります。黒式尉のほっぺたに彫ってある渦は左右逆廻りのものあったりするよう。また衣装の模様も印象的でした。
その後に見た「熊野」(ゆや)は95分間以上の舞台で演者も囃子方に取っても大変なマラソンに思いました。同時に舞台にある女面、小面と曲見(しゃくみ)、を見比べられることが面白かったです。若々しい「花」とツレの「朝顔」、特徴から年齢や個性をじっくりと比較できました。
また大鼓方(大倉三忠氏)の掛け声に大変感動しました。特に強く大きく声を出している訳でもありませんが、腹から空気と共に、空気に乗って我々まで声が届き、その静かな舞を包むかのようでした。
ちなみに、現代語訳・英訳はこちらにあります。
最後の「岩船」 は半能で龍神の舞の部分のみでしたがとても迫力ありました。
面はおそらく「黒髭」ですが、角度による影で変わる表情豊かな演技でした。
大鼓は若々しくて新鮮でした。
また昨年末、京都の金剛能楽堂の「祝賀乱能」の際で見た「翁」の大鼓の最初のパートで見たことのない風景に驚きました:大鼓方は立って、打ちながら3〜4歩歩いて、またバックして席に戻 りました。それは大鼓方石井流独自のもので、昔は橋掛りから鼓を打ちながら歩き囃子の席に付いた「打掛り」と言われました。大遅刻して翁がスタートした後に到着してしまった大鼓方が思いついた「秘伝」ということにして首が繋げたというエピゾードが由来らしい。
2009年は翁で終わり、2010年は翁で始まりとはユニークですね!きっと素晴らしい年になります!


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